まじクレオクフ。悪魔系国家・エズフィト王国の領主。自分のことは「麿(まろ)」と呼び、語尾に「~(で)おじゃる」と付ける。正統なる王位継承者不在のまま、エズフィト支配眷族を代表し王子を務めてきた。双子の姉・魔妃クレオクスとともに力を合わせてきたが、エズフィト王国は衰退の一途をたどるばかり。今日も一つ崩れる聖なる神殿を、物憂げな表情で見つめていたが…
魔妃クレオクスが占いで新王ドラキュロスを見出した。魔子クレオクフはドラキュロスがエズフィトを救うといわれても俄かには信じられなかったが、かの魔肖ネロルーツの由緒正しい悪魔だと知って納得する。早速、ダークマターのもとから魔漆黒船ともどもドラキュロスを奪いに出発した。
魔考器財の一つ、黄金人面獅身像(ゴールデンスフィンクス)に乗って次界に飛来。ピラミッド型の杖の先端から魔力を放射し、魔漆黒船の所有権をダークマターからエズフィトに移行した。エズフィト王族の名に恥じない魔力の持ち主で、姉からも頼りにされ、自身もまたエズフィトへの愛国心に揺らぎはなかった。
だが、魔子クレオクフの心境は変わりはじめる。ドラキュロスが内裏ネイロスとなり名実ともにエズフィト国王となったこと、姉が内裏クレオクス妃になってネイロスの夫となったこと、そしてマルコと出会ったことが彼を変えた。特にマルコは、姉の占いからエズフィトに害をなす倒すべき存在だと思っていたが、実際会ってみて抱いた印象は真逆だった。
マルコは、命懸けで追ってきたまんじゅうを初対面の相手にも遠慮なく差し出す。自分ならそんなことはしないと不審に思うが、そのまんじゅうを一口食べてみて、今まで味わったことのない美味さに感涙した。マルコはそれを我がことのように喜ぶ。友達だからという理由で、マルコがドラキュロスを連れ戻しに危険を冒してエズフィトにやって来たということに心打たれもした。
ネイロスのもとに案内した時、初めてマルコが倒すべき相手だったと知り、剣を突き立てるが逃げられる。マルコの行く先を複雑な表情で眺めた。マルコがダークマターと戦っている時は、ネイロスに暗殺失敗を冷笑され、ついマルコを応援するような態度を取ってしまう。ダークマターにやられたマルコが無事でホッとしもした。ピア・マルコがサン・マルコにパワーアップし、かつての暗殺失敗が今に響いていると姉に責められ、面目ないと思うが、ネイロスがマルコを倒そうとするのを素直に喜べない。
ダークマター封印の影響でせっかく甦ったエズフィトが大干ばつに陥った時、退廃的に酒を酌み交わすネイロスとクレオクス妃を怒鳴った。が、事態の把握も打開策もすでに済んでいた。聖(セント)コアポイントでエズフィトの理想郷宇宙が誕生すると知り、喜んで姉に抱きつこうとした。だが、姉はネイロスに寄り添う。魔子クレオクフの心には、激しい嫉妬が燃え上がる。魔子クレオクフの内裏クレオクス妃に対する愛情は、姉弟愛に収まるものではなかった。
それに勘付いていたネイロスから、あえてマルコ抹殺を命じられる。魔子クレオクフはマルコへの友情と、姉と祖国への愛情の板ばさみになる。聖ビーナシスを人質にマルコとの決闘を要求するが、マルコは友達とは決闘できないと、身動き一つしなかった。まんじゅうを分け合った友達といわれ、ショックを受ける。そこまで信頼してくれているのか。魔子クレオクフはマルコを倒すこともできず、エズフィトにも戻れず、ピコ・テラトリスで次元の狭間をさまよった。
なぜ次界と戦わねばならないのか分からない。その迷いがダークマターを引き寄せる。心の影を突かれて甘言に乗り、創陰陽パワーボールを切ってダークマターを解放してしまった。ダークマターに操られ、マルコを源層大魔テーションに引きずりこんだ。マルコに続き、姉の記憶まで奪われる。魔子クレオクフは姉の夢を叶えるために、巨テラトリスを動かしエズフィトを唯一の太陽の王国にするために聖コアポイントを目指した。許せマルコと思いながら。だが最後には、アレキサンマルコによって全て救われた。
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